FeLV 陽性、漏斗胸、目に白濁 の「みなみ」 里子へ2014/01/30 23:26

左目に白濁あり、漏斗胸あり、FeLV のキャリア
2012年の3月~6月、多頭飼育崩壊寸前の夫婦から相談を受け、
振り回され、せっかく不妊手術したねこたちや、未去勢のオスたちが
愛護センターで殺処分された。

この、ホワイト家からなんとか保護できた、5匹のきょうだい
メス -- ちゅん (キジトラ)、みなみ (黒)
オス -- ヒガシ (キジトラ)、ホク (黒)、ニシ (薄いキジトラ)

スムーズに里子になれたのは、ちゅん と ニシ
みなみ は、白濁の目をきにしないご家族のところにトライアルにでた。
その里親さん希望の方が、獣医さんに連れていってくれて
3種ワクチンを打ってもらい、目の治療のことなど相談されたら
漏斗胸であるとの診断を受けた。
初めてねこを飼うそのご家族は、将来の手術に耐えられるか心配になり
みなみ は、初トライアルから戻ってきて、私の家にやってきた。

抱っこしてみると確かに胸部がへこんでいた。
でもケージにいれるとシーツを噛んでひっぱって遊ぶし、
にゃおにゃお鳴いて、そばにひっついてくる可愛い子ねこだった。

「みなみ」 の不妊手術のとき、動物病院選びに悩んだが
初めて、猫医者さんのエムズキャットに行ってみた。
「この漏斗は酷いが、手術する必要なし。
避妊手術はできるからね、予約してください」 との早い診断。

こうして 「みなみ」 は、ごく普通に不妊手術を済ませ、麻酔からも
すぐ醒めて、病院のクレート内で暴れていて、猫医者から
「この仔、めちゃくちゃだ。でも、バカじゃないよ」 とほめられた?

「みなみ」 をしょっちゅう、=ねこ会= に連れて行ったが、目の白濁のせいか
スラーっとした黒猫の女の子なのに、オファーをもらうことはなかった。

そんな2012年の夏、首のあたりにしこりをみつけ、リンパ腫ではないかと心配し、
「しろくま動物病院」 で検査をうけたが、
「悪性の腫瘍ではないと判断します。リンパ節の腫れ ですね」 との診断。
でも、鼻水はすぐでるし、いつも涙がでていたため、
「風邪の後遺症がつよく残っていて、カリシやヘルペスのキャリアでしょう」
と言われた。そして、ウイルス検査を受けてみたら
FeLV-陽性、FIV-陰性 という結果だった。

いったいいつ、「みなみ」 は、猫白血病のウイルスに感染してしまったのか?
多頭飼育で16匹の猫がいた、ホワイト家では外にでていない。

「みなみ」 がきたとき、同じく、FeLV 陽性の 「つよし」 が家にいたから
そのために感染したのかもしれない・・と考えていた。
「みなみ」 にはワクチン接種をやめていたのだ。
3種ワクチンを打ったら、鼻かぜや涙の症状が悪化するような気がしたため。

しかし、「みなみ」 は餌をがっつく仔ではなく、他の猫の食べ残しを
食べちゃうようなことはなかった。
「つよし」 は食べ残しがあればすぐ平らげるような仔だったけれど。
さらに、「みなみ」 は、他のねこにケンカを売らないし、遊びをしかけることもない。
「つよし」 にひっつくこともなく、たいてい1匹でいる仔だった。
でも、ねこには好かれるタイプで、新たな保護ねこによく鼻あいさつを
されていて、他のねこにすりよられると、するっとかわして
お気に入りの場所で静かに寝ている生活だった。

「みなみ」 は、ホワイト家で感染したのだ と思うようになった。
エサも少なく、16匹のねこがいるのにトイレは1コだけ
「みなみ」 のきょうだいたちは、よく流し台や洗面台で
粗相をしていて、それを治すのに苦労したのだった。

「みなみ」 は、風邪の治療もしてもらえず、左目には白濁が残った。
もちろん視力は普通で、おもちゃを追いかけるのも敏捷だった。
16匹のねこたちといっしょにいて、いろいろなことを我慢する生活だったと思う。
一番我慢しなくてはならなかったのは、ご飯だったはず。
だから、「みなみ」 は、一度にたくさん食べることをしない仔だった。



「みなみ」 は、=ねこ会= に参加させると、その日は押入れや
天袋に引きこもるようになったから、家ねこにすることに決めて
住宅の管理組合に、飼い猫として申請した。

すると、2013年6月の =ねこ会= に、ご夫婦の来訪があり
「実家からねこを預かることがあるので、その遊び相手を探してます
 でも、実家のねこは、白血病もエイズも陽性なので
 できれば同じキャリアの仔を探しています」 という話だった。

私はそのとき、「みなみ」 のことを思い出しもせず、その方たちに
4種ワクチンのことや、エイズウイルスは出血するほど噛まれない限り
感染しないことや、猫エイズの母子感染もないことなどを話して
キャリアの仔と限らないでねこを選んで欲しい というような対応をした。

そしてしばらくしてから、「あっ、みなみ がいた」 と思ったのだ。
私の家には今後も、新たな保護ねこがくるだろう。
とくに、去年の2013年は、子ねこのきょうだいがひっきりなしだった。
まず 4匹、次に 4匹、また 5匹、そして 1匹。(みな里子になった)

「みなみ」 に静かに暮らせる家を探してあげたほうがいい と思うようになり
また、あのご夫婦がきてくれたら、今度こそ 「みなみ」 を・・と
待っていたのだけど、その人たちが来訪することなかった。



2014年1月16日発行のポトスに、「みなみ」 のことを載せた。

ねこの里親さん探しています
◆黒猫のメス、約2才(無料)
白血病陽性(発症なし)、猫エイズ陰性、ロート胸、避妊手術済み
◆大人しくて利発な子です
● 携帯の連絡先

すると、なんと、2組の方から希望の連絡をもらったのだ。

「みなみ」 は、独りくらしのおじさんの家にトライアルに行き、
1週間を過ぎ、おじさん曰く 「仲良しになったよ」 とのことで
正式に里子になった。

みなみ を連れていったとき、ひと目で気に入ってくれて
「うん、いいね。白血病というのがあるのかね。
 目が白くなっとるってことだね。
 漏斗胸かね、なにかねー、それは・・・」

「みなみ」 は、おじさんの家の中を鳴きながら探検していた。
あーー、まだこんなに幼かったんだ・・・と思うほど、鳴いていた。

「みなみ」、おじさんの家のコタツに入ってるのだろうか?
でも、すぐ鼻が苦しくなってでてきちゃうだろうな・・・と思っている。



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