名古屋愛護センター あれこれ -- 1 ― 2016/10/24 23:08
2014年 4月 27日 コープ本山での 「猫の里親譲渡会」 に
とある初老の男性がやってきた。
この男性 K氏は、当日、愛知・地域ねこ応援団代表のセイケさんに電話し
「猫を連れて参加したい」 と、いきなり言ってきたらしい。
K氏には、猫を保護した経緯の確認と、猫の状態をみてから
参加の可否を考える と答えたそうで、私に 「このKって人、知っている?」
と、聞かれたけれど、まったく知らない名前で、二人して、
「なぜ、この K という人は、この譲渡会を知って、電話できたんだろ」
と、首をひねりながら、準備していた。
K氏は、13時過ぎに、キャリーバックを持ってやってきて、話し合いになった。
・キャリーバッグには、生後2カ月足らずの子猫が2匹はいっていた
・譲渡会に参加できる子猫には、ノミダニ予防やワクチン接種、健康チェックという基本治療が必要というルールを説明したが、そのような治療は何も受けていなかった
・「庭の小屋で子猫が生まれていて、保護したから里親探しをお願いしたい」 とのこと
・「母猫を捕まえて手術できるか」 という確認については、「捕まえられない」との返事
・「こちらで猫を捕まえるためには、捕獲器をもっていき協力できる」 と説明したが、手術の費用で二の足を踏むような返答
・しかし、動物病院をやっている と、それまでの話の流れを逆転するようなことを言いだし、「本当のことを言っているのかどうか」 という疑惑が私たちの側にはわいてきた
・「母猫はこれまでも子猫を産んでいるはずでは」 と聞いてみると、「初めて産んだ」 と答えたため、「では生まれた子猫は2匹だけですね」 と念をおした。(2匹のみ)
・こちらが猫の去勢・不妊の説明をしようとしても、「犬の散歩をしている人が、野良猫を犬に抑えつけさせてそれは酷いことをしている」 とか、「去年、猫が6匹も集まったが、追い払ったら、来なくなった」、「でも、自分は猫のことが好きなんだ」 というような、手術の話を詰めていけないような受け答えが続いた
・すると、K氏は、「じゃあ、参加できないなら、今回はもういい。この子猫は飼うから」 と自分から参加を辞退する発言をしたため、「子猫は20年以上、生きますよ。最期まで世話をできますか? 失礼ですが、70代ではありませんか」 と問い詰めると、「何が悪い。77歳だ。なんで飼っちゃいけないのだ」 と、突然激昂した。
・「餌だけ与えて手術をしなければ、飼い主がいない子猫が増えて、近所の迷惑になります。そうと分かっている人の猫の参加を引き受けるわけにはいきません」
・数分間、「年齢で決めつけるな」 というような激怒の問答が続いた
私は、K氏がもう一つ別の袋を持っていることが気になっていた。
そこには、環境省制作のポスターが入っていたから。
しかも、ラミネート加工がしてあった。
それで、K氏が落ち着いてきたから、「そのポスターはどうしたのですか」 と聞いてみると
袋から出して、見せてくれた。
環境省の「動物の遺棄・虐待は犯罪です」 というポスターと、
千種保健所の作成した「飼い主のいない猫を増やさない」 というような
啓発のポスターで、ラミネートされていて、4隅に穴があいていたため、
「これ、近所に張るのですね」と確認したら、
「いや、張らない。こういうことを知ってもらいたい」 というので、あきれかえった。
そもそも、そのポスターが啓発している目標のために、譲渡会を開き
子猫を保護して参加する人に、TNR の説明や啓発をしているのだ。
「私たちは、こういうことを目的とした活動をしているのです。こんなこと知ってます」
「このポスターは、猫が迫害されているという公園に張ってください」 と言うと、
何もいわずに袋に戻したから、さらに、「猫を手術するなら協力します」 と説明し、
【ねこ会参加ルール】 を渡したが、K氏は無言で退室したのだった。
この変な Kさん事件は、これだけでは終わらなかった。
後日、セイケさんに愛護センターから電話があり、この Kさんから
クレームが入り、私たちは説明に愛護センターに行くことになった。
実は内心、これであの、I 所長と話ができる・・と思っていた。
愛護センターで、このやりとりを説明するのが面倒だったから
事の経過を文書に作成し、まず、所長に見せた。
この後、K氏の話を長々と聞かされた。
ふーん、この所長はこういう話しっぷりをするのか・・・と考えていた。
話し方は、粘着的、つねに自分がどうしたか を話したいらしい。
途中から、セイケさんがやってきた。すると、所長が
「あらー、悪いけど、もう一度最初から説明します。
もう一回聞いていてね」 と、私に念押しをしてきたから、私はうなずいた。
しかし、セイケさんは、「説明はいりません。分かってますから」
と、一蹴したのだ。
私には、それが輝いて見えた。
これはお世辞でもなんでもなく、あの頃は、意義申し立てにあまり
慣れていなかったから、同じような話を聞かされることもしょうがないと思っていた。
思い出すと、笑えてくる。あのとき、説明不要 と言ってのけたセイケさんを
あの所長がどんな顔で見ていたか・・。
「私に、こんなことをいうなんて・・・」 てな感じ?
K氏は、千種保健所にもよくクレームをいいにいく人とのことで
それで、ポスターのラミネートも作ってあげたらしい。
しかし、あのラミネートは、キンコーズで作ると、500円はかかる。
さらに、4隅に穴をあけて、それ以上破れないように保護してあった。
ふーん、クレームの抑え込みには、そこまでするのか・・・
私の動物行政への反感は、たぶん、ここではっきり芽生えたと思う。
K氏が、もし子猫を愛護センターに連れてきたら、ワクチンくらい打ってあげること
まっとうに保護して育てるなら、今後のコープ本山での譲渡会に
参加を受け入れること
などを話しながら、ふと、テーブルを見ると、そこには、
K氏がもってきたというチラシがあった。
「あーっ、それ、私たちが、コープ本山に貼った、譲渡会のチラシです。
下の余白に、コープ本山のスタンプが押してあるでしょ。
K氏、掲示板からはがしてもっていったのですね」
ここで、所長は謎の行動に出たのだ。
いきなり、そのK氏がもってきたチラシに、話を聞きながら、メモしたらしき文字を
消しゴムで必死にこすり始めたのだ。
なんでまた、そんなことするのかなぁぁ、とみていた。
延々と消しゴムを使っているから、「なんで消してるんですか」
と聞くと、「これ、そちらの大切なチラシでしょ」 というのだ。
あきれかえって、「そんな、開催の過ぎたチラシなんていりません」
---------------------------
そのチラシに書き込んだメモは、K氏の話を聴き取って書いた、
重要な内容でしょう。
たとえそれが、ピントのずれたクレームであったとしても、
市民が、交通の不便な愛護センターに足を運び、
クレームであろうと、延々と話し、対応を求めたことなのだ。
それを、所長はほとんど消した。
行政の聴き取り対応なんて、しょせんこんなもの。
その内容を記録しておくことより、新たなクレームを防ぐことを優先する。
所長が恐れた新たなクレームとは、私たちがチラシの返却を
求める・・と、思いこんだこと。
---------------------------
この後、愛護センターに、犬や猫の引取りを頼みにやってくる人が
それを断られると、平和公園に遺棄していく というトラブルを
どう防いでいくのか・・・という話し合いに進んだ。
もちろん、そういうことはまずい とはいうが、具体的に愛護センターが
どんなサポートを示すか・・という方向にはまったく考えようとしなかった。
セイケさんと私は、ただ、この愛護センターに K氏のことだけ話しに
わざわざ行ったのではない。
事前に、「愛護センターでの合同譲渡会開催」 を要望してみようと
話し合っていたのだ。
つづく
とある初老の男性がやってきた。
この男性 K氏は、当日、愛知・地域ねこ応援団代表のセイケさんに電話し
「猫を連れて参加したい」 と、いきなり言ってきたらしい。
K氏には、猫を保護した経緯の確認と、猫の状態をみてから
参加の可否を考える と答えたそうで、私に 「このKって人、知っている?」
と、聞かれたけれど、まったく知らない名前で、二人して、
「なぜ、この K という人は、この譲渡会を知って、電話できたんだろ」
と、首をひねりながら、準備していた。
K氏は、13時過ぎに、キャリーバックを持ってやってきて、話し合いになった。
・キャリーバッグには、生後2カ月足らずの子猫が2匹はいっていた
・譲渡会に参加できる子猫には、ノミダニ予防やワクチン接種、健康チェックという基本治療が必要というルールを説明したが、そのような治療は何も受けていなかった
・「庭の小屋で子猫が生まれていて、保護したから里親探しをお願いしたい」 とのこと
・「母猫を捕まえて手術できるか」 という確認については、「捕まえられない」との返事
・「こちらで猫を捕まえるためには、捕獲器をもっていき協力できる」 と説明したが、手術の費用で二の足を踏むような返答
・しかし、動物病院をやっている と、それまでの話の流れを逆転するようなことを言いだし、「本当のことを言っているのかどうか」 という疑惑が私たちの側にはわいてきた
・「母猫はこれまでも子猫を産んでいるはずでは」 と聞いてみると、「初めて産んだ」 と答えたため、「では生まれた子猫は2匹だけですね」 と念をおした。(2匹のみ)
・こちらが猫の去勢・不妊の説明をしようとしても、「犬の散歩をしている人が、野良猫を犬に抑えつけさせてそれは酷いことをしている」 とか、「去年、猫が6匹も集まったが、追い払ったら、来なくなった」、「でも、自分は猫のことが好きなんだ」 というような、手術の話を詰めていけないような受け答えが続いた
・すると、K氏は、「じゃあ、参加できないなら、今回はもういい。この子猫は飼うから」 と自分から参加を辞退する発言をしたため、「子猫は20年以上、生きますよ。最期まで世話をできますか? 失礼ですが、70代ではありませんか」 と問い詰めると、「何が悪い。77歳だ。なんで飼っちゃいけないのだ」 と、突然激昂した。
・「餌だけ与えて手術をしなければ、飼い主がいない子猫が増えて、近所の迷惑になります。そうと分かっている人の猫の参加を引き受けるわけにはいきません」
・数分間、「年齢で決めつけるな」 というような激怒の問答が続いた
私は、K氏がもう一つ別の袋を持っていることが気になっていた。
そこには、環境省制作のポスターが入っていたから。
しかも、ラミネート加工がしてあった。
それで、K氏が落ち着いてきたから、「そのポスターはどうしたのですか」 と聞いてみると
袋から出して、見せてくれた。
環境省の「動物の遺棄・虐待は犯罪です」 というポスターと、
千種保健所の作成した「飼い主のいない猫を増やさない」 というような
啓発のポスターで、ラミネートされていて、4隅に穴があいていたため、
「これ、近所に張るのですね」と確認したら、
「いや、張らない。こういうことを知ってもらいたい」 というので、あきれかえった。
そもそも、そのポスターが啓発している目標のために、譲渡会を開き
子猫を保護して参加する人に、TNR の説明や啓発をしているのだ。
「私たちは、こういうことを目的とした活動をしているのです。こんなこと知ってます」
「このポスターは、猫が迫害されているという公園に張ってください」 と言うと、
何もいわずに袋に戻したから、さらに、「猫を手術するなら協力します」 と説明し、
【ねこ会参加ルール】 を渡したが、K氏は無言で退室したのだった。
この変な Kさん事件は、これだけでは終わらなかった。
後日、セイケさんに愛護センターから電話があり、この Kさんから
クレームが入り、私たちは説明に愛護センターに行くことになった。
実は内心、これであの、I 所長と話ができる・・と思っていた。
愛護センターで、このやりとりを説明するのが面倒だったから
事の経過を文書に作成し、まず、所長に見せた。
この後、K氏の話を長々と聞かされた。
ふーん、この所長はこういう話しっぷりをするのか・・・と考えていた。
話し方は、粘着的、つねに自分がどうしたか を話したいらしい。
途中から、セイケさんがやってきた。すると、所長が
「あらー、悪いけど、もう一度最初から説明します。
もう一回聞いていてね」 と、私に念押しをしてきたから、私はうなずいた。
しかし、セイケさんは、「説明はいりません。分かってますから」
と、一蹴したのだ。
私には、それが輝いて見えた。
これはお世辞でもなんでもなく、あの頃は、意義申し立てにあまり
慣れていなかったから、同じような話を聞かされることもしょうがないと思っていた。
思い出すと、笑えてくる。あのとき、説明不要 と言ってのけたセイケさんを
あの所長がどんな顔で見ていたか・・。
「私に、こんなことをいうなんて・・・」 てな感じ?
K氏は、千種保健所にもよくクレームをいいにいく人とのことで
それで、ポスターのラミネートも作ってあげたらしい。
しかし、あのラミネートは、キンコーズで作ると、500円はかかる。
さらに、4隅に穴をあけて、それ以上破れないように保護してあった。
ふーん、クレームの抑え込みには、そこまでするのか・・・
私の動物行政への反感は、たぶん、ここではっきり芽生えたと思う。
K氏が、もし子猫を愛護センターに連れてきたら、ワクチンくらい打ってあげること
まっとうに保護して育てるなら、今後のコープ本山での譲渡会に
参加を受け入れること
などを話しながら、ふと、テーブルを見ると、そこには、
K氏がもってきたというチラシがあった。
「あーっ、それ、私たちが、コープ本山に貼った、譲渡会のチラシです。
下の余白に、コープ本山のスタンプが押してあるでしょ。
K氏、掲示板からはがしてもっていったのですね」
ここで、所長は謎の行動に出たのだ。
いきなり、そのK氏がもってきたチラシに、話を聞きながら、メモしたらしき文字を
消しゴムで必死にこすり始めたのだ。
なんでまた、そんなことするのかなぁぁ、とみていた。
延々と消しゴムを使っているから、「なんで消してるんですか」
と聞くと、「これ、そちらの大切なチラシでしょ」 というのだ。
あきれかえって、「そんな、開催の過ぎたチラシなんていりません」
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そのチラシに書き込んだメモは、K氏の話を聴き取って書いた、
重要な内容でしょう。
たとえそれが、ピントのずれたクレームであったとしても、
市民が、交通の不便な愛護センターに足を運び、
クレームであろうと、延々と話し、対応を求めたことなのだ。
それを、所長はほとんど消した。
行政の聴き取り対応なんて、しょせんこんなもの。
その内容を記録しておくことより、新たなクレームを防ぐことを優先する。
所長が恐れた新たなクレームとは、私たちがチラシの返却を
求める・・と、思いこんだこと。
---------------------------
この後、愛護センターに、犬や猫の引取りを頼みにやってくる人が
それを断られると、平和公園に遺棄していく というトラブルを
どう防いでいくのか・・・という話し合いに進んだ。
もちろん、そういうことはまずい とはいうが、具体的に愛護センターが
どんなサポートを示すか・・という方向にはまったく考えようとしなかった。
セイケさんと私は、ただ、この愛護センターに K氏のことだけ話しに
わざわざ行ったのではない。
事前に、「愛護センターでの合同譲渡会開催」 を要望してみようと
話し合っていたのだ。
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