多頭飼い夫婦のねこの行く末 -- どんでん返し 22012/06/12 23:14

2012年3月、初めてホワイト宅を訪問
同年4月2日、子ねこ 4匹を里親探しのために、引き取る

同年4月中旬、ホワイト夫婦、区役所の民生子ども課の生活保護受付に相談
・ねこを10匹飼育しているため、生活がなりたたない、2匹にしたい

5/1、「5/2 に生活保護の審査があるから、ねこを預かってほしい」と、いきなりの電話
5/1~5/2 10匹のねこを緊急避難させる
5/2 夕方には、9匹を戻し、1匹を引き取る
ねこトイレを2コ、ねこ砂、フードを差し入れる

5/2 生活保護の審査 -- ミツ◎さん訪問

再び、いきなりの電話 -- 5/9 再審査があるから、またねこを預かってほしい
オアシスさんが、フードに「これは、テンゼロからの支援」とメモを付けて渡す
このとき、以前のような緊急避難を断った。



生活保護の担当職員は、ホワイト夫婦の経済状況を調べ
2度訪問し、5/9 にねこが10匹にいることを確認した。
里親が見つかればそれが一番だと考えていたし、そのように、
夫婦にも言っていた とのこと。
しかし、この担当者は、そのために協力するボランティアがいるとは知らなかった。
別に私たちのグループのことだけではなく、里親探し活動 というものを知らなかった。

一般的に、生活保護の担当者は、申請相談を受けると
その相談者の逼迫状況を調べ、よほどのことがない限り、
当事者の話を信用する ということが分かった。

ホワイト夫婦がなぜ、そのような困窮に陥ったか、金銭管理の能力についても調べるらしい。
ミツ◎さんは、5月のホワイト夫婦の生活費を1日1500円として管理した。
そして、滞納した家賃、電気代を支払い、他の債権者と、時には
減額を交渉し、5月末には、完済に導いた。
5月の生活保護手当てを、いったん、生活保護課で預かり、
何を購入したいのか確認しながら、管理していたとのこと。
この間はギャンブルや、とても必要とは思えない高額商品などの浪費はできない。

借金がなくなり、6月には、生活保護の手当てをそのまま、夫婦に渡し
夫婦は、買いたい物ができると、電話などで確認してくるらしい。

6月になってからは、ホワイト夫婦は、自分たちがほぼ自由に使える
お金があり、タクシーに乗ることもできるようになったのだ。



そして、最初の相談「ねこの数を減らしてほしい」という依頼が実行された。

6月になったとき、「ほんとうに、ねこを減らしたいか」と、もう一度確認してほしかった。
ホワイト夫婦は「減らしてください」と、他力本願してくるはずだから
「ならば、タクシーで、自分で連れていきなさい」と、つっぱねて欲しかった。

なぜ、生活保護の担当者は、夫婦の金銭管理を行い、
債務の調整や交渉を行い、借金返済に導いたのか?
それは、夫婦の自活への支援であったはず。
その兆しが出てきたとき、なにも律儀に、ねこを連れていく必要など
どこをどう調べても、考えても、見当たらない。
そこまで、引き受ける必要などないと思う。やりすぎなのだ。

生活の建て直しができてきたとき、再考するゆとりが欲しい。
その発想が生まれていれば、8匹は救われていたと思えてならない。
ミツ◎さんは、ねこ10匹の段階を見ている。
最初16匹いたことを知らなかった。
なぜ、10匹まで減らすことができたのか、知らされていなかった。

ミツ◎さんが、もっと老獪に、夫婦に自分たちで連れていけと言ったら
あの夫婦がタクシー代を使うとはとても思えないから、
前のように、オアシスさんに電話してきたはず。
それが最後のチャンスだったと思う。



私はもう、ミツ◎さんを責める気は、これっぽっちもない。
「なんで、僕が連れていかなくちゃならないのか」といった言葉を信用している。
なぜなら、一度だけ、「あの子たちは・・・」と言って、言葉が途切れたから。
ねこちゃん なんて言ったら信用しないが、「あの子たち」という言葉には
心情がでていると思った。

8匹の命は、別の担当者だったら、まだこの世にいたかもしれない。
しかし、別の担当者だったら、1カ月で借金完済はできなかったかもしれない。



今回のことで、生活保護の審査に、「ねこ2匹」なんてばかばかしい
条件はないことが分かった。(もちろん、適正に飼育できることが前提)

もっと、早く、区役所を訪問すればよかった。
いや、私たちは、当初、生活保護の申請に同行するから と言ったのだ。
今思えば、あれほど他力本願だった夫婦が、自分たちで相談に行ったのは
私たちが同行していたら、「ねこを2匹にしたい」とはとてもいえないからではなかったか?

私たちには、里親探しの代行を頼み、区役所には殺処分依頼の代行を頼んだ。
ミツ◎さんは、ケージにねこを入れていったとのこと。
委任状という書状ではなく、区役者側で作成した依頼書のようなものがあり
それを見せて、愛護センターは、ねこを受け取っている。

次は、愛護センターに問い合わせることにした。
ケージでねこが持ち込まれたのだから、耳カットを確認できるのだ。
へこたれたけど、心底、事実確認を怠ったことを後悔したけれど
でも、前を向くことにした。