都合よく管理したがる名古屋市動物行政 ― 2017/01/18 23:03
2016年12月 7日の、緑政土木局での、緑地維持課・管理課の担当職員3名との話し合いの席で、私たちは質問した。
「ところで、最近は猫についての苦情はどうですか?
何か実感されていることはありますか?」
緑地管理課の職員が答えた。
「そうですねぇ。苦情は減っていますね」
すかざす、次の質問をした。
「減っていると感じられるのは、どうしてだと思われますか?」
答え 「うーん、それは分かりません」
まったく、名古屋市行政の職員には、自分の頭の中で想像し、自分自身の考えをめぐらし、市民の声に答えようとする姿勢は、いつになったらうまれてくるのだろうか?
市政アンケートの「猫による迷惑について」 という結果のグラフを示し、指でつついて反論した。
「この、猫に迷惑を感じる という項目を見て、考えてください」
「鳴き声がうるさい --- これは、TNR で繁殖しなくなりますから、発情の鳴き声はなくなります!
ゴミを荒らされる ---- これは、TNR したあと、その猫たちを見守り、適正にエサを与えれば、空腹でうろつくことがなくなり、生ゴミなど荒らしません! 猫だって、あんなゴミ、食べたくて食べてるのではありません
そして、猫の数が増えすぎる --- これも、TNR によって繁殖を抑えていけば、猫は増えなくなり、頭数は減っていきます
これだけのアンケート回答の多い項目について、TNR による効果ははっきりと分かるはずです」
相手の職員は、苦り切った顔のまま、何も答えなかった。
TNR による様々な効果は、このアンケートの苦情の多いと思われる項目に対応できる。
1.フン尿の放置
まず、TNR することで、尿の臭いはかなり軽減できる。
さらに、公園内に猫トイレを設置し、しばらくはすぐに掃除せず、猫が使うようになるのを待ち、トイレ場所と認識するようになれば、フンを回収し、土をときどき混ぜ返してメンテナンスすればいいのだ。
自分の庭で猫に餌を与えている人は多いはず。
でも、その人たちの周囲から必ずしも、苦情が多発するとは限らない。
それはなぜか? とっくの前から、その人たちが、猫のフン尿対策をあたりまえのこととして行ってきたから。
それを行ってきた人たちの周辺からは、苦情はでない。
2.鳴き声がうるさい、ゴミを荒らされる、猫の数が増えすぎる
TNR + その後の見守りと給餌で、これらの苦情には対応できる
3.悪臭がする、猫から病気をうつされる心配がある、猫の毛が飛んでくる
これらは根拠のない、いわば風評被害に近い。
飛んでくるものは、猫の毛だけではない。悪臭がすべて猫なのか?
4.猫がやってきて、自動車や植木などを傷つける
これだけはどうしようもない。猫は自動車に乗ったり、木で爪をといだりするものだから。
このことまで、人がどうこうしようとすること自体、無理な話。
猫が庭に入ってくるのが嫌なら、見つけたときに大声を出して追うしかない。
猫バリアーというものがあり、保健所に申請すれば、1週間ほど無料で貸し出しされる。
それを利用し、効果があると分かれば、自分で購入するしかない。
自動車に乗っているのを見つけたら、手をたたくとか、声をあげるとか、猫が嫌いな大きな音をたてて、追うしかないだろう。
だからといって、追い立てたときに、車にツメの跡がついた! というようなクレームにいちいち、気を遣ってはいられない。
そもそも、人間が考える対応策に、100%完全なものなどありえない。
しかしこれらのアンケートで苦情がおおいと分かる項目について、TNR でどれほどの効果がうまれているかは、明白。
アンケートを取り、それをグラフ化して公開し、それで役目がすんだかのような気持ちになっているのがおかしい。
このアンケート結果の変化を見て、TNR で提唱されている効果というものを考えれば、おのずと、その重要性がわかるはず。
これを考えようとしない名古屋市の動物行政の、核となっている健康福祉局 動物愛護管理・検査業務管理主幹はやはり無能としかいえない。
緑政土木局での、緑地管理課の職員はこうも言っていた。
「私どもが、正式に地域猫活動というものを認めることは、やはり難しいことです。」
なぜ、正式に ということばを使うのか?
TNR を根幹とする地域猫活動を認めるには、活動する市民に、おそらく、ややこしい提出文書を出させるのだ。
その提出文書というものは、現地の猫の状況とその問題のありようが、その場、その場によってさまざまであることなど、視野の外で作られる。
名古屋市の動物行政にとっては、自分たちにとって都合のよい内容であることが一番大切なこと。
自分たちの業務が、それによって多忙にならないよう、行政に協力することに疑問を感じない市民や外郭団体を活用する。
これの最たるものが、「なごやかキャット事業」
2016年12月下旬、この事業のどうしようもない現実を思い知った。
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