町内 TNR 依頼 -- 自立の兆し2012/10/26 13:09

TNR の相談を受けて、通っていた熱田区のあるご町内。
このところ、K-san がよく交代してくれて、楽隠居していた。

相談+TNR 依頼者の S-san が親戚の病気見舞いと世話から帰られたから
10/24 久しぶりに、そのご町内に行った。
魚屋のおかみさんに振り回されたこともあり、次の捕獲計画や設置場所の相談も必要になっていた。

サン と Q は、ウエットをよく食べて、ちょっとふやかしたカリカリも
食べているから、夕方や夜も捕獲に出かけられるようになっている。

10/24 19時半、なんだかんだ言うだけで、K-san の捕獲方法提案にも
真剣さがまったくない、魚屋に寄ると、ちょうど出かけるところで
「捕獲器の回収にきました」と告げると、はいはい、はいはい と
言いながら、段ボール箱入りのケージを持ってきてくれた。
お気楽な感じで、「また次やればいいね」などと言ってくるから
「来月は、ここを優先していたから先延ばしにしていたところに行きます
 こちらがまたできるのは、12月の予約を取ってから」と話すと
1カ月も日にちが空く ということをまったく、気にせずに
はいはい、はいはい と言っていた。

そして、いそいそと出かけていった。
いつも遊びまわっている、黒猫やグレーたちが姿を見せなかった。

S-san にグチいってやる と思って、いつもの TNR 町内に戻り
目星をつけておいた、電柱の陰に捕獲器を設置していると
お隣の家の主婦さんが出てきて、「見える? 懐中電灯貸そうか?」と
声をかけてくれた。こういう町だから、k-san もここの TNR はやる気がでるのだ。

捕獲器を設置してから、寒くなったなーと思いながら、その町内を
歩き回ってみたが、ねこが出歩いていない。
なんとなく、また連敗の予感がして、とぼとぼ歩いていたら
S-san も出てきてくれて、3週間ぶりに顔を合わせた。

魚屋の件を話し、12月までほっとくことにした。
・11月の予約は、これまでの動物病院が満杯のため、別の病院に頼むこと
・そのため、メスの不妊手術費用が2000円ほど高くなること
などを話していると、K-san が到着した。



S-san が、あるアパートの植え込みのあたりから
子ねこらしい泣き声が聞こえてくる という話をしてくれた。
それは、15軒ほどが集まっている区画の端に立っている、
1F に車1台分の駐車スペースのある、鉄骨3階建てらしい古いアパート
2F ・ 3F にそれぞれ2部屋ずつの賃貸室があり、今は1室だけ人がはいっている とのこと。
S-san はこのアパートの大家さんとも顔見知り。

そのアパートのあたりを、ねこが数匹、ウロウロしていたことがあったらしい。
ここのエリアでターゲットにしているのは、チビキジトラを産んだ母ねこ、
魚屋までご飯をもらいに行く、行動範囲の広い、大ママねこのサビ
他には、黒、白茶 のオスねこたちだ。

捕獲を急ぐ、妊娠疑惑のねこはいない。
子ねこが生まれているなら、見過ごした妊娠ねこがいたわけ?
と、くらーーい気持ちになってきた。

それで、その古いアパートの 1F スペースを3人で見に行くと
S-san 「あ、あの白茶がご飯食べてる」と、小さな声で叫んだ。

え!??? 餌場があるの とそのスペースに踏み込むと
道路からは目立たない階段の下の空間に、段ボール箱があり
確かにフードを食べていた、白茶が逃げて行った。

そして、とても小さな箱があって、その上に、子ねこがいた。
「ゲーーッ、子ねこもいます」 と言ってるまに、その仔は逃げた。
ブルーシートを短く切ったものが、目隠しのように下がっていて
それをめくると、さらに空間があり、それは植え込みに通じていた。

その狭い空間は、もしかしてトイレ場になっているのか・・と嗅いでみたが
糞尿の臭いはまったくなかった。
子ねこは、小さなキジトラで、9/1 に見つけたチビ5きょうだいと
どうやら同じころに生まれたと思われる。

あのときは、7匹まで確認できた。目が開いていなかったから
這って逃げて行ったとは思えない。どうやら、出産したキジトラ母が
まだ1匹いるらしい。
しかし、そのキジトラは1匹だけを産んだのか?
最初、植え込みには、複数の子ねこがいたように思う。
でも、出されているフードは、人間のご飯に安いねこ缶を混ぜたもの
雨露はしのげる場所だけど、台風もきたし、大雨も何度か降った。
この1匹だけが生き延びたように思った。

丸いプラケースにガーゼのようなものがしいてあって、どうやら
子ねこ用のトイレになっているらしい。
水はきれいなものが用意されていた。

そのエサ場に、捕獲器を移動し、白茶か母ねこが入ることを祈ってまった。
時折、K-san が捕獲器を確認しにいってくれたが、
最初、逃げてブロックの隙間からこちらを伺い、にゃお にゃお と
鳴いていた子ねこは、だんだん逃げなくなったらしい。
しかも、捕獲器に入り込んでフードを食べていたため
K-san がその仔を素手つかみして、外に出してあげた という。
「触れます。捕獲器の周りに、ちょっとウエットを出してあげます」とのこと。

しばらく待機していたけれど、ねこの捕獲は難しそうだった。
そこで 「エサを与えている方へ」 というメモを書いて 段ボール箱のあたりに、風に飛ばされないように置いていると
子ねこは、その子ねこしか入れないようなちいちゃな箱から出てきて
「みゃおっみゃお」と鳴き、もう逃げようとはしなかった。

メモには
・子ねこを産んだ母ねこの捕獲に協力してください
・子ねこを育ててください。6カ月を過ぎたら手術します
というようなことを書いた。

K-san は里親募集中のねこの頭数が飽和状態だから、保護はできない。
私は、1匹くらいなら連れて帰れるけれど、それをしたら
この餌やり者とコンタクトをとる機会をなくしてしまう。
さらにその餌やりは、子ねこを連れていってもらってただほっとするだけ。
その餌やりに会って、母ねこのこと、他にはきょうだいがいないのか、
聞いてみたいことがあるのだ。

子ねこは、素手つかみした K-san によると、「たぶん、女の子」で、
お腹が真ん丸になっていて、もしかすると便秘かもしれない。
眼の状態はキレイ。毛並も普通で、風邪症状なし。

また、来週捕獲にくるから、そのとき、この状況だったら
子ねこを保護することを考えてもいいかな・・と思っていた。
その仔に「また来るから、がんばれ」と、K-san と声をかけた。

私は先に帰り、K-san は、S-san の知り合いの方と情報交換して
捕獲器を夜通し設置できる場所を確認し、夜遅く帰ったらしい。



翌朝の 8時半ごろ、S-san から 「捕獲失敗」という C-mail がきたから
K-san に伝え、その日の手術枠は、K-san が保護しているオスネコに変更。

すると、同日 16時過ぎ、S-san から C-mail
「昨日のちび猫は引き取り手が見つかり、捕獲器の餌を食べさせて、
 送り出しました」という、ビック゛な朗報が入った。

S-san は、ますます、その町内のねこパトさんになっていく。
人脈がいろいろあるからこそ、できることだと思った。
そして、昨夜、ちびねこを不憫に思うだけで、保護しなくてよかったとつくづく思った。

あの、人にはなかなか発見されないようなところで、ちいちゃな箱に
隠れて、あまり良質とはいえないご飯を食べて、たぶん、ちゃんと
植え込みにいって、トイレをしていたと思われる、チビキジトラ。
でも、餌をもらっているから、人間をそんなに恐れてはいない。
きっと、餌やりさんが現れると、遊んでもらっていたのだろう。

S-san は、ねこに触ることはできない。
でも、あの、チビの健気さは、ひとを動かす力があったと思う。

今夜、S-san に電話して、あそこに置いた、メモ手紙がどうなっていたか、
餌やりと思われる人は、あの住人なのか
少し聞いてみようと思っている。

ちびっこ、終生の住家と飼い主さんをゲット というメールに
K-san から「疲れが吹っ飛びました」という歓喜の返信があった。



S-san は、さらに、魚屋が出かけたあと、駐車場に捕獲器を運ぼうか?
と言ってくれている。この S-san に協力してくれる隣近所は多い。
こういう町では、必死の地域ねこ活動はいらない。
糞尿の苦情をいう方には、後から EM 2号を渡してみるつもり。
そして、自分たちで、子ねこの引き取り手をゲットしたという達成感は
この人たちをさらに変えていくと思う。
もともと、優しくて温かい心根のある町だから、なおさらだと思う。



次回 「ねこ会」 のお知らせ

「Q and サン」のいつさと



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